第23回 知能ロボットコンテストにおいてものづくり講座
受講生チームが「メカトロで遊ぶ会賞」を受賞しました

文責:佐瀬 一弥 (natural science ものづくり講座講座受講生ロボコン出場チーム監督)

 10月23日に仙台科学館で開催された「第23回 知能ロボットコンテスト 2011」(主催:ロボット競技会実行委員会, メカトロで遊ぶ会, 社団法人日本ロボット学会 )に、natural science ものづくり講座受講生の野口宙くん(中学1年生、受講歴3年)、平塚薫くん(小学5年生、受講歴1年)、ものづくり講座講師の佐瀬(東北大学大学院修士1年)のグループが出場し、「メカトロで遊ぶ会賞」を受賞しました。
 野口くんと平塚くんは natural science ものづくり講座「ものづくり山編」の課程を修了し、ロボコンの出場を目指した開発を進めてきました。コンテストでは高専生、大学生、社会人が多く参加する中、競技に取り組み、小中学生ながらLabVIEWを操る技術力と意欲的な姿勢が評価され受賞しました。

知能ロボットコンテストについて

第22回知能ロボットコンテスト2010大会案内及び競技ルールより抜粋

参加資格

競技内容の規定に合致するロボットを作成することができ,当日,競技に参加できる方.個人,団体は問わない.

競技のルール

スタート時を除いて人為的操作をいっさい加えないロボットを用いて,決められた作業を所定の時間内に行い,獲得した点数を競う.チャレンジコースでは、スタート時に競技者に渡される1 個の自由ボールと,競技台上に散乱している3色各5個のボール,計16 個を,競技時間内にできるだけ多く選別しそれぞれ指定されたゴールに入れることを競う.


製作したロボット

機体

 ロボットの機体は、ものづくり講座で製作したマイコンカーを改造したもので、ボールを回収する機構やセンサの配置などを独自に考えて追加し製作しました。ロボットは2つのモータで独立に駆動される左右のタイヤにより、自在に向きを変え移動します。機体の各所にマイクロスイッチがあり、このスイッチの状態を監視することで壁との衝突の検知と衝突した部位の特定が可能です。かごは蝶つがいで機体とつながっており、ゴールへ押し込むと段差で自然にかごが傾いて格納したボールを放出します。

プログラム

 プログラム開発環境は、日本ナショナルインスツルメンツ株式会社に提供いただいているLabVIEWを用いました。LabVIEWは、C言語のようなテキストベースの記述ではなく、アイコン同士を線でつなげるようなグラフィカルな操作でプログラム開発を行う開発環境です。また、LabVIEWにより操作可能なデータ集録デバイスNI DAQを用いることで、パソコンの指令による電圧の出力、計測が可能です。さらに、ものづくり講座で製作した制御基板をLabVIEW、NI DAQと組み合わせることで、ロボットの制御を実現しました。
 プログラム開発はロボットに行わせたい作業を具体的な動作に分解していく作業です。センサの状態と移動方向、移動時間だけで行わせたい作業を記述し、フローチャートという図を作成しました。そして、フローチャートをもとにモータへの指令電圧やセンサからの入力電圧を考えボールをゴールまで運搬する動作を実現するプログラムを作成しました。


競技の様子

 競技は競技時間10分で3回までのリトライが許されています。また、競技場に入ることができるのは2名以内であり、野口くんと平塚くんの2人で競技に臨みました。ボールには競技場に散乱しているボールのほかにはじめからロボットに持たせることができる自由ボールがあり、今回の目標は自由ボールをゴールにいれ点数を獲得することでした。
 競技開始の合図の後にプログラムを実行しロボットの制御を開始します。1回目のスタートではロボットがまっすぐ進むはずのところが、次第に左に曲がっていってしまい、すぐにリトライを申し出ました。今回は限られた数のセンサ、モータで臨んだためその分をプログラムで補正する必要があります。そのためリトライ申請後、プログラム中のパラメータを変更してまっすぐ進むように調整し再スタートしました。しかし、2回目もまっすぐ進めず失敗してしまいました。結局、うまく調整することができず全てのリトライを使い切ってしまいました。競技終了後はアピールタイムが与えられ、ロボットの本来の動作や機構、プログラムの説明を行いました。とくにLabVIEWのプログラムが司会の方の目にとまり、プログラムの作り方やプログラムの各部の処理についても説明しました。
 競技自体はうまく動作させることができず悔しい結果となりましたが、表彰式で「メカトロで遊ぶ会賞」を受賞することができました。大学の研究室や企業でも使うLabVIEWを小中学生が操っていることが注目を集めたようでしたが、それを可能にした日ごろの努力や意欲的な姿勢が審査員の方に伝わったのではないかと思います。


受賞した受講生のコメント

野口宙くん(中学1年生、受講歴3年)

●工夫したところ
モーターを使わずにボールをとれる機構を考えたところとタッチセンサを使えるようにしたことです。

●感想
ボールをつかむアイデアがなかなか浮かばず時間がかかってしまったので、来年はもっと早い時期から考えてもっと点数のとれるロボットを作りたいです。

平塚薫くん(小学5年生、受講歴1年)

●工夫したところ
DAQをカッコ良くつけたところとモーターを動かす秒数を合わせてロボットの動きをプログラムしたところです。

●感想
ちゃんと動かなくて悔しかったけど、この悔しさをもとにして次に進めていきたいです


今後に向けて

 今後は次回のコンテストに向け、確実に点数をとれるロボットを開発します。特に重点を置くポイントを以下に示します。

●ハード面
・機体材料に金属部品を用いて機体を頑丈にする。
・より高性能なモータを用いて機動性を向上する。
●ソフト面
・マイクロスイッチのほかに、ライントレーサ、距離センサを用いてロボットの作業の正確さを向上する。
・各種センサ、モータを使いこなすため、さらにLabVIEWプログラミングの技術を習得し、より高度なプログラムを作成する。

 また、今回よりも時間をかけて戦略を練り、新しい機構や実装するセンサについて議論を進め、小中学生ならではのアイディアを盛り込んだロボットを目指します。



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