日本ナショナルインスツルメンツ主催「グラフィカルシステム開発コンテスト」において、ものづくり講座受講生 が「未来のエンジニア賞」を受賞しました

 日本ナショナルインスツルメンツ(NI)が主催する「グラフィカルシステム開発コンテスト」において、 natural science ものづくり講座受講生の野口宙くん(富谷町立成田中学校3年、受講歴5年、ものづくり検定初段)が「未来のエンジニア賞」を受賞しました。

日本ナショナルインスツルメンツ(NI)主催「グラフィカルシステム開発コンテスト」とは

 グラフィカルシステム開発コンテストとは、ナショナルインスツルメンツ(NI)製のソフトウェア・ハードウェアを使用したアプリケーションを、全国のユーザより募り、技術、コスト、革新性等の面から審査するコンテストです。毎年、技術者を中心に大学生や高専生などから50件程度の応募があり、今年で15回目となります。(ナショナルインスツルメンツ グラフィカルシステム開発コンテスト 2013のウェブページより抜粋)

ものづくり講座 受講生の受賞

 「グラフィカルシステム開発コンテスト」では、これまで社会人の技術者を中心に大学生や高専生からの応募はありましたが、今回初めて中学生から応募があり、その出来具合を評価して特別賞に相当する「未来のエンジニア賞」を与えることにしたそうです。今回受賞した野口宙くんはロボットの遠隔制御システムを開発しました。ロボットに搭載されたカメラの画像を見ながら、ロボットの移動やアームの移動をリアルタイムで遠隔操作できるものです。宙くんは、ものづくり講座でNIのシステム開発ソフトウェアである「LabVIEW」の使い方やロボットの開発について学び、本アプリケーションを完成させました。  宙くんは、「小学生の頃にサイエンスカフェでレスキューロボットの研究を聞いたことがきっかけで、ロボットを作りたいと思った。ものづくり講座に通うことで、自分が作りたいと思うものを作ることができた。今後は、農業用ロボットやレスキューロボットに挑戦していきたい。」と、これからの意気込みを話してくれました。

宙くんの開発したアプリケーション「LabVIEWを使ったロボットのコントロール」

著者名:野口 宙
   NPO法人natural science ものづくり講座
   富谷町立成田中学校
使用したNI製品名: LabVIEWアドオンツール,DAQ
業界:アカデミック
アプリケーション分野: ロボットの動作制御

課題

簡単に操作できるロボットの遠隔制御システムを作製する

ソリューション

LabVIEWとDAQを使って、PCとロボットに搭載されたマイコンを接続する。PCからの信号に応じてマイコン経由でモーターを駆動し、ロボットの動作をコントロールする。

本文

課題とソリューション

・多くの人に電子工作やロボットに興味を持ってもらうため、だれでも簡単にロボットの操作が体験できるシステムを作製する。
・ロボットに搭載したカメラの画像をPCモニタ上に表示し、その画像を見ながらリアルタイムにロボットの移動、アームの動作を遠隔制御できるようにする。

(1)アプリケーションの概要とシステム概要

ロボットはPC画面上からの操作で、前後左右への移動とアームを使ってボール等を持ち上げることができる。
LabVIEWの画面上に表示されたロボットの移動方向、またはアームの上下動作のボタンをクリックすると、ロボットに搭載されたDAQからマイコンに信号が送られる。マイコンはDAQからの信号によりモータードライバをコントロールし、クリックされたボタンに応じたモーターを駆動する。図1.にロボットの操作画面を示す。


図1 ロボットの操作画面

(2)NIテクノロジ採用の理由

・USBに関する知識がなくても、PCと外部機器を接続するシステムを作製できるため。
・ユーザーインタフェースからロボットを制御するプログラムまでを、ソフトウェアの詳しい知識がなくても作成できるため。
・機能の追加、修正が簡単にできるため。

(3)システム構成

制御系の構成を図2に、システム全体を図3に示す。

LabVIEW:ロボットの操作画面を表示し、操縦者がクリックしたボタンに応じた信号を出力する。
DAQ : LabVIEWからの信号をマイコンに出力する。
マイコン:DAQからの信号により、モータードライバを制御する。
マイコン内のプログラムはものづくり講座で用意されたものを使用した。
ロボット本体、走行部、アーム駆動部は、タミヤ工作パーツを使用した。
ロボットにはUSBカメラが2台搭載され、ロボット周囲の状況とアーム先端部分の画像をPC上で見ることができる。


図2 制御系の構成


図3 システム全景

(4)LabVIEWの機能

DAQを使った外部機器との接続機能を利用し、今回のシステムで重要なパソコンからロボットに搭載したマイコンへのデータ通信を実現することができた。

(5)プラットフォームベースアプローチについて

ロボットを簡単に操作できるようにするため、操作画面のボタンの大きさや配置を工夫した。実際のユーザーインタフェース画面を見ながらレイアウトを修正し、すぐにロボットの動作を確認できるため効率良く作業を進めることができた。

導入効果

(1)新たに構築したソリューションのメリット

・LabVIEWとDAQの使用によりPCとロボット間で安定した通信が可能となり、ロボットの動作が安定している。
・分かりやすい操作画面で、リアルタイムにロボットの遠隔操作が可能。
・機能の追加や修正が簡単に行える。

(2)NI製品を採用するメリット

・USBに関する知識がなくても、PCと外部機器の接続ができること。
・ユーザーインタフェースから、ロボットの制御、外部機器との通信まで含めたシステムを、一つの環境で作製できること。

まとめ

簡単に操作できるロボットの遠隔制御システムを作製するという課題に対して、ソフトウェアに関する詳しい知識はなかったが、LabVIEWのグラフィカルプログラミングは分かりやすく、限られた時間内でユーザーインタフェースから、ロボットの制御プログラムまでを作ることができた。
今回作製したシステムは、NPO法人Natural Scienceが主催したイベントで展示され、小学生から大人まで多くの来場者にロボットの操作を体験してもらうことができた.

野口宙くんのロボットの動画

記事掲載

■IT pro http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20131105/516022/
■EE Times Japan http://eetimes.jp/ee/articles/1311/15/news030.html



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